小さな手とパン
神戸に住む友人が、家族で遊びに来てくれました。
彼女は神奈川で教員同期として採用されてから、見知らぬ神奈川の地で一緒に過ごした「戦友」のような存在。食の好みも仕事の仕方もよく似ている、良き相談相手であり大切な友人。
今回は、友人の娘Cちゃん(5歳)と一緒にパンづくりをすることが目的。以前から家では白崎裕子さんのレシピを活用し、なるべく手づくりを心がけている友人は「豆乳カスタードクリーム」と「豆乳ヨーグルト」を味わってみたい、と言うリクエスト。
会った瞬間からいろんな話に花が咲き乱れ、言葉がない時がないほどずっと喋っていたパンづくり。…今思い返すと言い忘れたことも多々あるけれど、神戸に帰ってからもさっそく大量に仕込んで復習しているようで、子どもたちにとっても絶好の「パン日和」となったよう。
<生地づくり> ポリ袋でパン生地を。
ものすごい速さで振っています(オーバー気味に伝えました)。大事なのは「粉に水分が行き渡っている状態」がどんな状態なのかを見て覚えること。
そのポイントさえおさえれば、「振る+揉む=生地になる」という分かりやすい工程なので、お子様でもパン生地づくりがかんたんにできます。しかも、手が汚れない。
<クリームパン> 乳製品・卵不使用のカスタードクリームづくり
カスタードクリーム(乳製品・卵不使用)も一緒に作りました。友人曰く「レシピを見てチャレンジしたかったんだけどできなかったもの」だそう。ここでもCちゃんに鍋の中を混ぜてもらうという大役を任せました(←上手にできました!)。
カスタードクリーム(乳製品・卵不使用)が冷めたところでお味見。オォ〜美味しい!(にやり)せっかくだからたっぷり入れちゃおうねー。
→「レシピの分量は守るべし」
守らない(というより間違える)ことも多々ありますが、クリームの量は守るべきでした。
欲張った結果、ちゃんと溢れ出ていました。(メモメモ)。レシピに載っているクリームの分量は、このパン生地の中におさまるちょうど良い分量になっている、ということがよくわかりました。いい経験でした。
<りんごロールパン> 「ふわふわ生地」で季節感を。
愛媛県久万高原にある「正岡観光りんご園」さんの減農薬りんご「千秋」を使ってりんご煮を作っておきました。パン生地に入れる時には片栗粉をまぶしてとろっとさせておきます。
トッピングにはココナッツフレークをパラリと振ってみました。このパン、Cちゃんのお兄ちゃんランキング1位獲得しました(やったぜ!!)。
<シナモンロール> もひとつ、おやつパン。
子どもたちはシナモン苦手なことも多いのですが…友人ファミリーは大好きだそう。
いつもより小さめだったので、マフィンカップを使用。窮屈だったためかビヨーーーンと縦に伸びたこのルックス。まるで生き物のようでした。毎回楽しみなんですよね、うねうねくるくるしている様子が。
ぐるぐるが好きすぎて、Instagramで「#ぐるぐるシリーズ🌀🌀🌀」というハッシュタグでこれまでのものを投稿していますので、あわせて紹介(宣伝)しておきます。
<コーンチーズパン> 違ったテイストも。
甘めのおやつパンが続くと、やはり「おかず系」が欲しくなるのは大人の感覚でしょうか。コーーンなたっぷり!特盛り!手作りの特権です。
「ねっ、」とCちゃんも嬉しそう。
トッピングには「豆乳チーズの素」をたっぷりと。これもパン生地同様、ポリ袋でモミモミすればいいだけ。小さなお子さんでも簡単に作れます。わたしと友人が「食べ物トーク」で盛り上がっている最中、Cちゃんはずーっとポリ袋を真剣にモミモミしてくれていたのでした(涙)。
こんがり焼き色がついた「嘘チーズ」。これで友人の「豆乳チーズ食べてみたい」欲も満たされた様子。
白崎先生のレシピ、何度作っても、そのたびに「おもしろすごいレシピ」であることを実感します。材料だけ見ると、なかなかこの味は想像できません。まるで実験のようなレシピなのです。誰かに伝えたくて、共有したくて「パン先生」をやっていますが、来てくださる方から教わることがたくさん。今回は「5歳児もできる!」ということを教えてくれました。
はるばる徳島まで、ありがとう!!!
レシピは 「白崎茶会のかんたんパンレシピ」より
パンが焼き上がった頃に迎えに来た家族(友人の夫、長男、次男)もパンを見るなりかぶりつき…。徳島ラーメンを堪能した後だったのに、8歳のHくんは一気に5個!3歳のTくんは1個+車の中でも1個ペロリとたいらげたみたい。
おまけ
<豆乳ヨーグルト>
パン作りの合間には、ジャム(大分県・Tao Organicsの桃ジャム)をのせて豆乳ヨーグルトを。Cちゃんたちはいつも牛乳で作られたヨーグルトを食べているそうですが、豆乳とブルマンヨーグルトで作ったこのヨーグルトも「食べやすい」とペロリ。友人は牛乳がダメ(乳糖不耐症の可能性あり)。でも、「この豆乳ヨーグルトなら美味しく食べられそう」と。
食べたことのないものは、やはり食べるの躊躇しますよね。当たり前です。こうして試していただき、舌や感覚に合うものをご家庭でも取り入れていただけるとうれしいです。
<食に対する思い>
当たり前に「おいしい」ものが、安心な食材で作れること。楽しみながら食卓を囲めること。家でもすぐに作れる簡単なレシピであること。
これって、全部同時に叶えられるんだ!
って知ってから、俄然、料理に対して前向きになれました。
震災以降は特に食だけでなく生活スタイルや生き方について考えることもたくさんありました。「こだわり」や「頑なさ」で自分を窮屈な場所へ追い込まないように。だけど、譲れないものがあるのも事実。
選べるのは、自分。食べるのも、自分。わかるのも、自分。
とはいえ、わたしは結局ずっと迷いながら進んでいくのかもな、とも思うのです。