梅しごと
神奈川に住んでいるとき、田舎の「手仕事」がうらやましいと思っていた。
田舎じゃなくてもできるんだけれど、
自分の家の庭で育てて、それを自分の手で加工して、自分の家族と食べるっていう一連の流れが、とても贅沢なことに思えた。
わたしが住んでいた場所は、マンションの換気扇が埃ですぐに真っ黒になるような場所。それを見ていて「天日干し」したい、とは思えない。
だから、お日様の下で作業できることも田舎のうらやましいところだった。
今年は、それが実現した。
実家の梅。
実家に梅の木があったかどうかも覚えていなかったのだけれど。
母が「庭の梅を採ってあるよ」と言って渡してくれた。
きれいではないけれど、愛おしい。
そして。
わたしが住んでいる場所にも、よく見ると梅の木があった(毎日真横を通っているのになぜ気づかない…)。来年は、ちゃんと採ろう。
テレビで「梅干し作り」を何本か録画しておいてくれた母と一緒に作り方をみて、さっそく塩漬けにした。
材料
・梅…1kg
・純米酢…80g
・塩(海塩)…梅の18%=180g
少量なので、今年はジップロックを使うお手軽な方法にで。
翌日、早くも梅酢がドバッと上がってきて、今のところ順調。
赤紫蘇を手に入れる
梅干しといえば、赤紫蘇。
うちには赤紫蘇がなく、どうしようかなーと思っていたところ、親戚の家でたくさんの赤紫蘇を発見した。
叔母の家庭菜園。この雰囲気がとても好き。(隅には大きめの木のテーブルと椅子がおいてあるのです。)
赤紫蘇は、6月中に収穫して塩もみしておかないと、きれいな色にならないんだとか。
ちょっと遠くなので6月中に来れるかなーと言っていたら、叔母が赤紫蘇で塩漬けを作っておいてくれることになった!(わーい)
梅も、赤紫蘇も、家と親戚でまかなえた。
こういうのがやりたかった。
特別おいしくしたいとか、たくさん作りたいとかよりも、自分の周りで収穫できた恵みに感謝しながら、自分で手を加えていただきたい、と。
ちょっとバタバタして手入れができていない小さな畑は、ミニトマトが勢いを増してレタスを覆い尽くし、ケールは虫に食われて筋だけになってしまった。
稲はなんとか元気に育っている(心配要素はあるけれど)。
初めてやってみて、「こうすればよかった」と気づくことはたくさん出てくる。経験値が上がったぶん、次はよくなるに違いない。
やらないより、やった方がいいよね。
今年は諦めようかと思っていた梅しごと、コンパクトサイズだけれど、やれてよかった!
un 樋口 明日香