【パンの授業レポート】親子レッスン!くるくる巻き巻き、地粉のコロネ。
「自分でつくるパンって、おいしいなぁ」
焼いて、クリームをつめたパンをかじったKくんからそんな言葉が飛び出しました。
なんてうれしい!!
キャンセルが出たため、プライベートレッスンとなった親子レッスンの様子、書きながら当日の興奮がよみがえってきます。あぁ、楽しい時間だった。
親子レッスン
子どもたちと一緒にいると、その小さなからだから発せられるエネルギーや出てくる言葉に元気をもらいます。たとえ言葉は出なくても、表情、動き、全身から発信する「あらゆるなにか」が、とても愛おしい。だから、前職で小学校教諭をやっていたのは天職だったのかもな、なんてことを今更ながら思います。
今回参加してくれた親子は新2年生の男児KくんとKくんのお母さんYさん。
Yさんはわたしの高校時代のクラスメイト。友人からわたしのパン教室の話を聞いたようで、そこから繋がって、今回の再会となりました。同級生の「お母さん」姿をみるなんて。そして、わたしがパン作りを教えるだなんて。
「昔」を知っている者同士が、当時とは全く違う立場で再会し、時間を共有する。そんな、いつもとはちょっと違う状況でスタートした親子レッスンです。
「拍手」でつながる工程
「Kくん、よく喋るよ〜」ってYさんから事前に聞いていたので、楽しくなりそうだなーとは思っていましたが、「楽しい」を通り越して「癒し」の2時間半でした。
初めてのことも「やる!」ってチャレンジしたり、「腕が疲れた〜」ってぐるぐる混ぜるのをYさん(お母さん)にバトンタッチしたり、一つの工程が終わるごとに「パチパチパチ」って拍手して「やったー」ってしたり、「やること」すべてが一生懸命で、誇らしげで、満足感にあふれている。
だから、「子ども」っていいなぁと思います。
見ていて、うらやましい。
Kくんを中心に、Yさんとわたしと、みんなでその場にいられて、ものすごく気持ちの良い時間でした。
くるくる、ビヨーーーーん。
ドッグ型からヘビ型へ。
適度な圧を加えて長く伸ばすのは、微妙な力加減が必要。それでも、何度かやっているうちにとても上手にできるようになりました。
途中で手粉つけたら俄然くるくるしやすくなって
「最初から言ってよ!」
(ごめーん。ほんっと、その通り!)
くるくる巻き巻き
コロネを作るときに一番楽しいのが、型に生地をくるくると巻きつけていく工程。
30cm程度の長いビヨーンとした柔らかい生地を片手で持ちながら、もう片方の手でコロネ型を持ち、巻きつけていく、という作業はかなり高度な成形。
でも、親子の共同作業でやっちゃえば難なくできました!
ノリノリで、フリフリ。
ポリ袋で生地づくり。
ロックンローラーのように頭も体も揺らしながら激しく振ってくれたので、粉と酵母がよく混ざりました!
水、メープルシロップ、オイル(菜種油)、塩を生地を休ませながら順に入れていき、手も汚すことなく生地が完成(これが持ち帰り生地になります)。
コロネ型も手づくり
家で復習するときのために、コロネ型を作ることにしました。
紙、オーブンシート、ホッチキスがあれば作れます。
上からオーブンシートを同じように巻きつければ完成!
パン生地、仕上げ
二次発酵させていた生地もいい具合に膨らんできました。
焼き上がり
オーブンに入れたあとは、パンが焼けるいい香りが部屋に充満します…。オーブンの中を何度か覗き見しながら…
じゃじゃんっ!
オーブンから出てきたコロネが想像以上に美しい!
レッスンではステンレス製の型を使ったので、焼きたてはものすごく熱くなっています。
しかし、手作りの紙(オーブンシート)の型ならば、万が一子どもが触っても火傷しないという安心感。たまにしか作らないという方は、オーブンシートで作る「手作り型」で十分ですね。
クリームを詰めて、試食
生地が冷め切らない、ほんのり温かいうちにクリームを詰めて頬張るのが一番おいしい♡とわたしは信じています。
食べるのを楽しみに待っているKくんにもぜひその食べ方で食べて欲しくて。
「自分で作るパンって、おいしい〜」
テーブルセッティングもせずに、そのままお味見しました。このあと、お母さんのYさんもお味見。
自分でクリームを作り、パン生地を成形した「カスタードクリームコロネ」を頬張る姿の愛おしさ。「晩御飯があるから」と味見は1個でおしまいにして、残りは持ち帰って楽しんでもらうことにしました。
何度も「おいしい」と「楽しかったー」を言いながらレッスンをあとにしたKくんに癒されまくりの2時間半。
あぁー。
ほんとうに大人って、無力。こんな生き生きと動く子どもの前では圧倒されっぱなしで。
でも、とてつもないエネルギーを受け取った気がしています。これで、余韻に浸りながらしばらくがんばれます!
持ち帰り生地の、その後
帰り道も「楽しかった〜」と車の中で言ってくれてたみたいで、それを聞いてまたわたしはうれしくなる(今回、何度うれしくなったんだろう、ほんとうに)。
生地づくりのときに話した「じごな」や「ゆうきぱんこうぼ」、そしてこうぼのエサになる糖分(メープルシロップ)の話など、ちゃんと覚えていたようで、家でお父さんにもお話ししていたみたい(きゅん)。
そして、持ち帰り生地は「じごなを味わいたい」というKくんのリクエストにより、コロネの他に丸パンも焼いたようです(下写真左上)。
出来立てアツアツ、Kくんは2個も食べたそうです。そして、新鮮なアレンジパンの写真がこちら!
この形のカレーパンは新鮮!アレンジも含めて、とっても美味しく復習していただき、うれしいです。
「クリームから作るとは思わんかった!」
興奮気味に、そして終始うれしそうにお話ししてくれたKくんと、Yさんに感謝。
そうそう
「卵・乳製品不使用」でも「ふつうにおいしい」を体感してもらえたようで、これもうれしかったことの一つ。
「自分でつくると、おいしい」
とKくんが言ったように、自分の手を使って作るものは、どこかホッとして、安心で、気持ちの良い食べ物になる気がします。いつも使っている手や道具、素材がしっくりフィットするからこそ味わえるおいしさ。
さ、今日も「手」を使って、料理をしましょう〜。
un 樋口 明日香
パン生地、クリームともに「白崎茶会のかんたんパンレシピ」に掲載されています。