「地粉の麺を打ちましょう」を開催しました
今回は麺の教室です。
実は、いつもパンを焼くときに使っている粉「地粉」(その土地で栽培・収穫・製粉された粉)は、別名「うどん粉」とも呼ばれている粉。たんぱく質の量からみると中力粉の部類です。
その粉を使って、「無敵の即打ちうどん」の会を開催しました。これが打てるようになれば、本当に無敵です!足で踏んだり、力一杯こねたりせずとも、汗をかかずに30分で麺を打ち、すずしい顔してチュルチュルと麺をすする。そんな爽やかな風景を想像しながら、参加者のみなさんとの時間を過ごしました。
当日の様子をレポートします。
粉と戯れる
ご参加くださったのは、これまでのパンの授業を含めて3回目のご参加の方、前回のパンの授業から2回目の方、そして初参加のお2人。
初参加のおひとりは、ご自宅でよくパンを焼かれている方。おひとりは「白崎茶会」のレシピ本を持っているけれど、なかなか作る機会がないという方。
粉を触るのに慣れている方も、そうでない方も、とにかく、粉と戯れるところからスタートです!
生地に水分を吸水させること10分。
捏ね(といっても、踏んだりけったりしません)
硬直を緩ませるためにさらに10分休憩。
のばす
切る
均一な幅のカットといい、ほぐしといい、初めてとは思えない。
みなさんの手つきが良かったので、すぐに家でも麺打ちできそうですね〜(楽しみです!)。
試食
打ったばかりの麺を茹でて試食タイム。
準備中、出す予定だったドリンクを不意にピッチャーごと落としてしまい、ガシャンと割ってしまうというハプニング(怪我がなくて本当に不幸中の幸いでした)。。参加者の皆様には驚かせてしまって本当にごめんなさい!という気持ちと、そそっかしさを落ち着けるよう、ただただ自分に言い聞かせながらの後半。
「冷やしカレーうどん」を今回のテーマにしていましたが、打ったばかりの麺、まずはシンプルな味わい方をご紹介するところから。
めんつゆは「秘密のストックレシピ」にも掲載されている手づくりのもの。昆布水で割ってつけ汁として。
ジンジャーカレールウはご飯とも合うし、パンとも合うし、秋にかけても大活躍間違いなしのカレールウ。粉を使っていないので、さらっとした仕上がりです。
パンをよく焼かれている方は「カレーパンに合いそう」とおっしゃっていました。
こちら、当日みなさんの前で作ったカレールウはハプニングのため、使うことを断念し(←この日は、本当に、もう、予定外が続きすぎました。。)急遽、ココナッツオイルのカレールウをご紹介し、持ち帰ってもらう運びとなりました。(本当に、思いがけずのハプニングの連続で申し訳なかったです)
珍しく、皮ごと食べられる桃を入手したのでデザートに添えてみました。→ 「桃の杏仁豆腐」
ふりかえり
初めての麺の授業、自分のあたふたっぷりは猛反省中ですが、みなさんには「地粉」でつくる麺の手軽さを知っていただけたと思っています。
とはいえ、私も麺を手軽に打てるようになるにはずいぶん回数こなしました。たった30分で麺が打てる!と思えるようになるまでには、ひたすら麺を打ち、手と体になじませるのがポイントかもしれません。そうすれば、いつ何時でも、粉と水さえあれば麺が打てるのですから!
今回ご紹介した「無敵の即打ち麺」が掲載されている『にっぽんの麺と太陽のごはん』を眺めていて、改めて白崎先生のメッセージにグッときました。紹介させてください。
今こそ作りましょう。
今こそ限られた材料で、限られた道具で、
あとからいくらでも材料を足すことのできる、
そして足さなくても大満足できる料理を。
すべてをやり尽くし、完成されたものより、これから発展していくものに人はわくわくします。
昆布水だけのラーメンや、野菜だけのカレーライス。
お日様の作ったものだけで作る料理には希望があります。
そこから先に自由に作る未来があるのです。
暗闇の中で、太陽の光を感じながら、
驚くほどおいしいものを作りましょう。
『にっぽんの麺と太陽のごはん』2011年3月「おわりに」より
この本が発刊されたのが東日本大震災の起きたすぐあと(ほぼ同時期)でした。スーパーから食料品が消え、電気も使えない。あらゆる情報に、気分が塞ぎました。その中で白崎先生が茶会女子に向けて発信してくださったブログの言葉は今でも時々読み返しています。
私たちは、スーパーから食料品が消えても、電気が使えなくても、粉と水があれば料理ができる!少ない粉でも工夫すれば周りの人たちと分かち合える術を知っている。この本には「料理がたった3ヶ月で上手になる方法」が書かれています。今でも、読み返すとふつふつとこみ上げてくるものがあります。
麺を打てると、可能性が広がります。
粉と、塩と、水と、酢。
たったこれだけでどんな広がりがあるのでしょう〜。
今回参加してくださったみなさまの食卓でも、手打ち麺の登場回数が少しずつ増えていくことを願っています。
ご参加、どうもありがとうございました!