自分たちで育てた「地粉」を味わう
高校で生徒たちが育てた在来小麦を分けてもらった。細かく製粉できる機械が近くにはなく、製粉を小ロットで受けてくれる会社も限られる。近隣のパン屋で製粉してもらったあと、ふすまを取り除くのは自分たちで。その手で製粉した「全粒地粉」がこちら。
育ててみたからこその感慨というか…粉になった時点で結構な達成感がある。
この「自分たちで育てた小麦」を、あらゆる方法で食べてみたかった。試してみたかった。
で、最初にやってみたのが、麺。
水を増やして割れを防いだり、最小限の「圧」でなんとか伸ばそうと試みて。
不揃いながらも、麺ぽくはなった。(レシピ:にっぽんの麺と太陽のごはん)
伸びが良くなく、引っ張るとすぐに千切れそうな触り心地。さっそく、食べてみる。
冷凍しておき、数日後に煮込みうどんにして食べてみた。いける!!いつもの地粉より2〜3分多めに茹でるとおいしいってことか。たまに粒が舌に残る感じも特徴として捉えれば食べられないことは、ない。
次につくってみたのが、白崎茶会で教わった中華風蒸しパン・マーラーカオ。
いつもなら、蒸籠に入れて火にかけた途端にもくもくと盛り上がってぱっかーんと開くのだが、一向にその気配が見えない…。粒がまだ大きい分、重たいのか。
味はおいしかった。でも、今の製粉状態なら蒸しパンには不向きかな。
最後に、絶対おいしくできると思ってたクッキー。
やっぱりおいしくできた。気分良く、別の味も。
大人のおやつ、かな。
せっかく作るのならおいしく作りたい。失敗したくない。だからあらかじめちゃんと「おいしく作れる」材料を揃える。わたしはずっとそうだった。
だけど、自分たちで育てて収穫できた「地粉」があれば、その地粉を使いたい。それがおいしく食べられる調理法を見つけたい。次はどんな地粉に出合えるかなーなんて、ちょっとワクワクする。楽しみになる。
食べることはもちろん大好きだけど、つくるプロセスに自分なりの楽しみを見出していけると、食べものはうんと身近になる気がする。