田植え(手で植える)とローカルフード
手植えの日がやってきた。天気は最高。
田んぼに行くと、すでに高校生たち(神山町内の寮で暮らしている)が勢揃い。いいなー、この景色。
少し離れた場所では、ちずみさんがお昼を用意してくれていて(寝てないんじゃないの…?)。
そこには大量の「そば米汁」が。「そば米汁」は徳島県の郷土料理。県外から移り住んできたメンバーも多く、食べる前に「えっ!?」と言う反応も。そっか、「そば米汁」初めてなんだね…と「そば米」談義が始まる。そばの実をそのまま食べる習慣は全国的にも珍しい。小麦や米が採れにくい地域で、主食の代替として蕎麦が育てられていたところから育まれた阿波(徳島)の食文化なのかもしれない。ちずみさんたちは昨年蕎麦も育てていて、それをみんなで蕎麦がきや蕎麦粉クレープにして食べた。豊かな食卓。
蕎麦はアレルギー反応が強い食品なので、最近給食では出されなくなっているけれど、わたしが子どもの頃は給食に出てくる大好きなメニューの一つで、母に「作って!」とおねだりしたのを覚えてる。
バラ寿司に入っている「金時豆」の存在も、県外からきた人たちには食べ慣れない習慣の一つなのかも。寿司に甘納豆を入れている感じ。お好み焼きのメニューにも必ず金時豆入りの「豆玉」が存在するのが “徳島あるある” なのよ。
差し入れにいただいた「ザ すだち」。
そば米汁、バラ寿司、ザすだちの組み合わせ、こんなに王道な徳島ローカルフードのランチもなかなかない…パーフェクト!!
午後からの田植えに精が出る出る。
午後は場所をかえて。
等間隔に印をつけた木枠をパタンパタンと返しながら、横一列になったメンバーが気持ちを合わせて植えていく。人数が多いので途中で交代して。若人集団、がんばってました◎
田植えをしながら、地域の人たちに見守られていることを感じる時間。それもこれも、普段から地域の方々との関係性を大切に築いてきているエタノホのメンバーらがいてこそ。わたしたちだけではない、「地域」の行事であることを実感できる1日となりました。
さて、田植えを終えた高校生たちはまだまだ元気が有り余っているようで…。隣の田んぼの「代かき」をなんと人力で。田んぼの土にはいいみたいねー。保育所の子どもたちと人力代掻きをやった年のお米はとてもよくできた、とあっきー談。
なにはともあれ、高校生たちと一部の大人たちは泥の中で弾けまくっていて、その他の大人たちはそれを見ながら心の中で弾けました。いや〜、楽しかった!
泥だらけの体は、ちゃんと川で洗濯して帰りましたとさ。
早朝、植田さんらは全部の田んぼ(12枚)をまわって水を管理しているそう。(モグラやカニが穴をあけて)水が漏れている場合、そこをなおして水を貯めなきゃいけない。米づくりにかける彼らのその情熱を毎度感じることができて、「参加できてよかった」と思うのです。
植田さんに「お米の教科書」と言われて借りたバガボンド。お米と人間の暮らしがとても密接だった昔の人々の考え方に触れると、脈々と受け継がれてきた食文化に対する敬意が生まれます。
樋口 明日香