「地粉パン」を家で焼く
「食べたいものを自分で作れる」っていう楽しさやおもしろさ(や学び)は、一度手に入れると一生モノ。さらに、それを人と分かち合える喜びは、どこまでも広がる。「パン教室」の場がどうあれば、自分も、来てくださる方も心地よくいられるのか。答えが出せないまま「(いろいろ)伝えなきゃ」ということに縛られ過ぎて方向を見失い、ここ2年ほどは活動休止状態になっていた。
▶︎「unのこと」
再開することはもうないかもな…と思っていた矢先、一通のお問い合わせメールが届いた。
「この方にレッスンしなければ、他の誰にもレッスンできない」
と思えるほどに気持ちがぐぐっと上がる不思議さ(感謝)。
メールの向こうにいる(お会いしたことのない)方とやり取りしながらメニューを決めていくうち、「何を伝えるか」ってことよりも、「何を伝えないか」を考えるようになった。来てくれる方に届く言葉をその場で考えよう、と。伝える「セリフ」を準備するのではなく、「気持ち」を準備する、とでも言おうか。
レッスンの際、試食で使う野菜は自分の手で収穫した(育てたのは同僚)。
野菜はルッコラとあわせてフレッシュサラダにし「秘密のストックレシピ」掲載の “人参ドレッシング” で試食していただいた。それに「にっぽんのパンと畑のスープ」掲載の “根菜のトマトスープ” を徳島産の蓮根と白菜をたっぷりで。
生地づくりは、初心者の方でもチャレンジしやすい「かんたんパンレシピ」のポリ袋製法。粉は九州産の地粉、地粉全粒粉を使用。いつか、神山の高校生が育てた小麦でこのパン教室を開催するのが、ささやかながら大きな夢。
さて。
じゃーーーんっ!
シンプルながら「発酵」というプロセスを含んだどうにもコントロールし難い「パンづくり」の作業は、ずっと緊張が続く(一回きりのレッスンであればなおさら)。
レッスンをやる!と決めた日から当日まで、昔のメモを見返し、「基本」を再確認し、「やってみる」ことで、からだと知識が合ってきた。そのプロセスもまた、わたし自身や周囲のものごとが反映されて、一つとして同じようにならないことが、なぜだかとても心地よかった。その「ゆらぎ」を楽しめばいいんだ、と。「基本」さえブレなければあとはとことん自由!
再開のきっかけをくれた一通のメールに感謝!
そして、「つくる」ことの楽しさを共有できた参加者の皆さんに感謝を。