食べるために、働く。
昨年の活動の振り返り(instagramでタグを辿る)をしていて、ハッとさせられる言葉に再会した。自分でメモした記録なんだけど、時が経って見返すと「ほー!」と思えることもある。メモ魔のように記録に残す習慣をありがたいと思えるのはこんなとき。
ハッとさせられたのは、昨年の小学生のもち米栽培の授業での一コマ。シゲさん(下写真)がこれまで20年以上ボランティアで続けてこられた米づくりの体験授業(田植えと稲刈り)は、わたしたち Food Hub Project が参画するようになり、今年で5年目を迎えた。
少し詳しくいうと、小学生が育てるもち米は「無農薬・無化学肥料」の栽培方法で育てている。シゲさんは「農薬や化学肥料を使う栽培方法は、決まった時期にきまった量のクスリをやれば(与えれば)えぇんやけど(いいけれど)、この方法(農薬や化学肥料を使わない栽培方法)は一つひとつ考えなあかんけん(考えなければならないから)勉強になる。これまで4年間この方法で栽培、収穫できとるけん(できているから)すごい」と話す。
生きるため、米を食べるために働いていた時代もあった。機械化が進んで作業が楽にできるようになり、大量に栽培ができて流通するようになった分、空いた時間で農業以外の仕事や役割も生まれていった。
白桃茂さん
最近読み始めた「生きていく民俗」は“きらわれる農業”というテーマから始まる。
わたしたちの暮らしは、その時代が反映される。「今」を生きているわたしたちは、「昔」から学びつつ、今の自分たちの営みとのちの世代のことを考えた暮らしをバランスよく考えていかねばならないのだと思う。子どもたちもまた「今」を生きている。同じ時代を生きるという重なりはあれど、わたしたちが生きられない未来を生きてゆく人たちだ。その目に、大人のわたしたちがどう見えているのか、を考えることはとても大事な視点かもしれない。
わたしには、しげさんがとてもカッコよく映っている。
樋口 明日香