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2026-08-02

パンと小麦と食農教育

神奈川から徳島へ戻ってきて、10年が過ぎました。

神奈川で通っていた料理教室・白崎茶会の認定をいただいて、地元徳島で「パン先生」を始めたのが2016年。県内はもちろん、四国、淡路島、そして中国地方や関東からも教室に来てくださった皆さんとのレッスンは昨日のことのように思い出します。

数年ぶりに、このブログでも近況報告を兼ねて、最近の仕事について書いてみようと思います。

神山町で始まった食農教育の仕事

神山町で立ち上がった「フードハブ・プロジェクト」に参画したのも、2016年のことでした。
自宅でのパン教室と並行して始めた仕事でしたが、次第に神山町での仕事の割合が増え、2022年にはフードハブ・プロジェクトから独立する形でNPO法人「まちの食農教育」を立ち上げました。

現在は「まちの食農教育」の代表を務めながら、小学校の非常勤講師として、週に2日、子どもたちと向き合っています。

徳島の小麦でパンをつくる

小学校時代のお菓子作りから始まった、私の食べものづくりへの関心。

その世界が大きく広がったきっかけは、神奈川で白崎茶会を主宰する白崎裕子さんとの出会いでした。パンや麺は、米にかわる主食として日常的に食卓に登場しますが、その素材である小麦の多くは、外国からの輸入に頼っているのが日本の食卓です。白崎さんは、日本で昔から栽培されている中力粉(地粉・うどん粉)に着目し、誰でも作れる地粉のレシピを開発し、食卓のつくり手となる人を育てています。

白崎さんの教室に通ううちに、わたしは料理の手前の生産現場に目線が伸びるようになりました。それからというもの、徳島に帰省するたびに「地粉」「小麦」を探して回り、近隣の産直に通うようになりました。

徳島にUターンしてからは、徳島県で小麦を栽培していた阿波市の農家を訪ねました。「徳島でも地元の小麦でパン作りができる!!」という喜びから数年後。徳島市の友人の畑からも小麦を入手できるようになりました。なんて嬉しいこと!

現在、わたしが勤務する神山町では、高校生が地域で昔から栽培されてきた小麦を育て、近隣で製粉できる環境が生まれています。10年前からすると、夢のようです。

神山町の農家やフードハブ・プロジェクト、そしてまちと連携した農業高校の取り組みが実った結果です。

「選ぶ」「買う」の、その先へ

地元の小麦で料理できる良さは、その現場を近くで見られることにあります。

「選ぶ」「買う」ための情報は、検索すればいつでもどこでも手に入る時代ですが、簡単に情報を得られる時代だからこそ、その先にある「知ること」「わかること」が大切なのではないかとも思っています。

神山町で食や農の現場に触れて10年経ち、農家や生産者、料理に携わる人たちの声を近くで聞く機会も増えました。何かを選び、買うときに、その向こうにいる人たちの顔が浮かぶようになったことは、わたしにとって、とても大きな変化でした。

同時に、食べものの作られ方を知らないまま暮らしていることの不自然さにも気づきました。

知らないよりは、知っている方がいい。
大人になって知るよりも、子ども時代から知っていた方がいい。
見聞きするだけより、実際に手を動かし、五感をはたらかせながら味わえる方がいい。

そんな思いが、わたしを、食農教育の世界へと連れ出してくれました。

徳島から広がる、食農教育のつながり

昨年、徳島県で食育推進全国大会が開かれ、多くの食育関係者が徳島を訪れました。

僭越ながら大会アドバイザーを拝命し、イタリアから参画してくださった齋藤由佳子さんたちと、大会の企画にもご一緒させていただきました。

この大会をきっかけに、県内のつながり、そして海外とのつながりをつくっていこうと立ち上げた団体が「Place Based Food Education」です。

最近は、そのメンバーでもある県内の友人たちと、ごはんを食べたり、新しい企画に参加したりと、少しずつ活動が始まっています。

定期的に会う仲間と、食や農のおいしい場に出かけ、実際に見て、聞いて、体験する機会も増えてきました。そうした経験が増えていくにつれて、あらためて「徳島」という土地の豊かさに気付かされます。

パン教室から始まったわたしの徳島での仕事は、農業の会社、そして食農教育へと広がってきました。これから、このブログでも、徳島の食や農の現場で出会った人たちのことを、少しずつ綴っていきたいと思います。

樋口 明日香 

 

パンの授業(現在お休み中/再開時期は未定)

再開の際にはこちらのブログでご案内いたします。

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